川手 章史

多数の実戦経験を通じて
自由と責任の意味を実感する

初期研修医1年次

川手 章史

Akihumi Kawate

有機化学やウイルスの研究を経て医学部に編入した変わり種

私はほかの研修医の皆さんと少し違っていて、最初は医大以外の大学で有機化学の研究をしており、そこでは心臓に多く分布するカルジオリピンという脂質について勉強していました。
学部を卒業した後、大学院で少しだけヒトパピローマウイルスという子宮頸がんに関与するウイルスについて研究をしていました。
研究自体は面白かったのですが、もともと医学部卒ではないので、そもそも子宮頸部の解剖が分からない。組織もわからなければ病理もよくわからない。
これだとただ手を動かしているだけになるのではないか?もう一度人体について勉強したい、と思い医学部に編入しました。

臨床実習で医師の生活を垣間見る

医学部では部活に所属はせず、いろんな勉強をするようにしていました。特に臨床実習は一生懸命やりましたね。
そんな中、2016年2月に当院で1か月ほど臨床実習をさせてもらう機会があり、手術着を着て術野に入れてもらい、多くの手術を体験させてもらいました。学生なので何の役にも立てないとは思っていたのですが、「これ引っ張って」とか「それ吸引して」とか、ただ見ているだけでなく一助手として、これほどまでに経験させてもらったのは初めてでした。
当初は心臓血管外科の実習で回っていたのですが、整形外科、泌尿器科、消化器外科、救急外来等多くの先生に声をかけていただきました。また当直も体験させてもらいました。
わずか1か月でしたが、非常に充実した時間を過ごさせてもらい、少しだけ医師の生活を経験することができました。

救急外来のファーストタッチから研修医の判断や意見を尊重

当院の研修体制の良いところは、救急外来でファーストタッチをさせてもらえるというところです。
救急車のコールが入って到着したときに、どうすればよいか?という判断も上級医がまず指示を出すのではなく、研修医が判断して上級医に伝え、その場でコメントをいただき、より的確な診察や検査を行っていきます。痛みの状態は?部位は?出血があれば処置はどうする?CTやレントゲンは?と、診察から各種検査のオーダーについて、フィードバックをその場でもらえるのが、非常に勉強になります。
どういう風に考えていけばいいのか。研修医の立場としてはこうした現場での実践的な経験が、最大の武器となるのではないでしょうか。

研修医同士の勉強会や垣根を超えた同期会など交流も活発

私自身はまだ日々の業務や緊急手術等に追われて参加できていないのですが、研修医同士では、自身の担当した患者さんについて、それぞれのカルテを見ながら議論する勉強会が定期的にあります。サマリーのようにまとめる時間も省いて、お互いの症例や治療法について話し合っています。こうした機会を通じて、自分が経験していない症例から学ぶことができるのだと思います。また今年度は看護師や臨床工学技士、理学療法士、事務員等併せて93人もの同期がいます。
懇親会等、活発に交流をとっておりお互いのことはよく知った仲になっています。
同じ病院にいる者同士、常に意見交換できる環境や交流があるということは、とても大事なことだと思います。

将来は自分の尊敬する医師からも認められる医師になること

まだ駆け出しで、どの診療科を選んでどういう道を歩むかは模索中ですが、ある程度の理想はあります。
 古代ギリシアの医聖ヒポクラテスはこんな言葉を残しました。
「医師には3つの武器がある。第一に言葉、第二に薬草、第三にメスである。」
これは最高の名言だと思います。この言葉を実践できるような医師になりたいと思っています。患者さんから、少し矛盾した言葉になるのですが、「先生の外来が楽しみだから、元気でまた来ます」と言われたら、最高かなと。元気だったら来る必要ないですからね。次いで薬草、今でいえば薬ですよね、そしてメス。この3つをうまく使いながら、患者さんそれぞれに合わせた治療が出来る医師でありたいです。それから、自分が尊敬する医師から患者さんに「川手先生になら紹介状を書きましょう、うまくやってくれますよ」と言ってもらえること。そんな医師になりたいと思い、日々研修に励んでいるところです。